Summary

問う力“Qi”とは?

私たちは「問う力」を“Question-insight”と英訳しています。略して“Qi”です。問い(Question)と、洞察=本質の理解(Insight)とを分けることはできないという考えから、一つの言葉として「問う力(Question-insight:Qi)」と呼んでいます。こうした「問う力」には以下の3つの意味が込められています。

  1. 1. 問いを洞察する力

    科学でも社会生活でも、合理的であるためには「論理」が必要です。
    私たちが無意識に使っている論理には、帰納推論、演繹推論、仮説推論の3つがあります。これらはすべて「推論」ですので、必ずしも正しいわけではありません。したがって、各推論の不備を理解し、問い直す必要があります。このような、問いを「深く考える(洞察=insight)」力が、科学のみならず社会に求められています。
    問いを洞察する力
  2. 2. 問いにより洞察する力

    人は誰かに何かを問われれば、答えようとしてしまいます。これは自分で問いを持っても同じです。つまり、問いは人に考えさせる力を持っています。そのため、優れた問いは深い思考を促し、新鮮な気づきと豊かな学びをもたらします。そして、私たちだけの問いを持つことは、主体的に考え、行動できる生き方へと導きます。
    問いにより洞察する力
  3. 3. 問い×洞察の力

    問いの本質を深く理解した上で、そのような本質的な問いを持ち、深く本質を考えることを繰り返すことにより、探究心や主体的な学びへの希求が高まり、自分にも他者にも、そして私たちを取り巻く世界へも、理解と共感が深まります。そして物事の本質を見据えた、既存の枠に囚われることのない、自由な発想ができるようになります。
    問い×洞察の力

Qiアセスメントの概要

アセスメント(assessment)とは、試験やテストなどによる成績評価だけでなく、学びのプロセスにおいて、学習者の理解度やスキル習得度などを適宜把握することにより、学びや指導の改善に繋げることも含まれます。したがって、Qiアセスメントとは、問う力を随時把握することにより、探究的な学びだけでなく、通常の学びにおいて、問う力の習得と指導を支援するものです。


Qiアセスメントでは、科学的な探究のみならず実社会でも求められる、3つの論理推論に対して、どれだけ適切な疑問を持てるかを把握します。帰納推論は、前提と結果からなるデータの集まりから、共通する一般的な規則を推論します。この時、データの数は十分なのか、データのバラツキを無視していいのか、規則は本当に一般的と言えるのか、といった疑問が生じます。また演繹推論は、帰納推論によって得られた規則を組み合わせることにより、未知の結果を予測します。この時、規則の使い方は論理的なのか、それぞれの規則の条件の違いを無視できるのか、といった疑問が生じます。そして仮説推論は、演繹推論によって予測した未知の結果をゴールとして、それを実現するための方法を、すでに分かっている規則を組み合わせて仮説として推測します。この時、用いた規則がゴールを実現するために有効かどうか、組み合わせるそれぞれの規則の条件の違いを無視していいのか、といった疑問が生じます。このような、それぞれの推論に特有の疑問の観点から、適切な疑問を持てるかどうかを把握するのが、Qiアセスメントです。


Qiアセスメントの構成は以下の表のとおりです。大問が6題、それぞれ設問が3問あり、合計18問です。それぞれの設問では、適切な問いの組み合わせを1つ、選択肢の中から選びます。答え方を解説したチュートリアルがあり、試験中に何度でも確認できます。テスト時間は、チュートリアルを含めて85分です。オンラインテストであり、最寄りのテストセンターで、期間内であれば好きな時に受けることができます。

設問1
設問2
設問3
人文社会系:3題
帰納推論を問う
演繹推論を問う
仮説推論を問う
自然科学系:3題
帰納推論を問う
演繹推論を問う
仮説推論を問う
学際領域系:3題
帰納推論を問う
演繹推論を問う
仮説推論を問う
帰納推論 演繹推論 仮説推論
Question-insight
Question-insight
Question-insight
Question-insight

探究に取り組む
みなさんへ

次のような問題を抱え
いませんか?

こんな問題には、

問う力“Qi”の活用が
期待できます!

問う力“Qi”は、
以下のような面で役立つ可能性があります。

01 結論を論理的に表現

私たちが無意識に行なっている3つの論理推論を、前提、結果、規則に分けることで、3つの論理推論の違いと、私たちが行なっている論理推論を俯瞰的に意識できるようになります。これにより、集めた情報を論理的に分析し、結果を論理的に表現に繋がることが期待できます。

02 目的が見つかり行動に移せる

3つの論理推論における、それぞれの推論の不備の可能性ついて、疑問をもつべき観点が明確になります。これにより、自分たちの論理推論が適切かどうかを問い直すことができ、その問いを考えることで、探究するテーマや、それが探究に値するかどうか、情報収集の方法についての見通しを得ることにも繋がると考えられます。

Qiアセスメントを定期的に受けて
自分の問う力を把握し、

探究学習の質を高めましょう!

習得したQiを通常の教科・科目の
学び、部活動や日常生活における
問題解決にもご活用ください。

また、探究シミュレーションと一緒に利用すると、
推論のさらに深い理解へと繋がります。

探究を指導するみなさんへ

探究学習指導に次のような
問題抱えていませんか?

このような問題には

Qiアセスメントが問う力"Qi"の
活用をおすすめします!

Qiアセスメントを定期的に受けることにより、
子どもたちは3つの論理推論を意識でき、
それぞれの推論に対する適切な疑問を持てる
ようになることが期待できます。

これにより子どもたちは自ら問いを立てることができるようになり、また試行錯誤やグループワークにおける議論も論理的になり、質が高まり効率的になると考えています。もちろん、このQiアセスメントは子どもたちの探究力を測定する一つの指標になると考えられますし、これを形成的評価に使えば、子どもたちの探究の進み具合を管理することができます。子どもたちがQiを身につけることにより、情報収集の質が深まるだけでなく、その解釈や分析も深まり、効率的になります。これは、探究学習だけでなく、通常の教科・科目の学びにおいても、子どもたちの深い理解をもたらすことに繋がると考えられます。

ぜひQiアセスメントを導入し、
探究学習だけでなく、
通常の授業においても
ご活用ください。

部活動や進路指導、生活指導などにも、子どもたちが活かせる能力ですので、多岐にわたる指導に応用できます。
探究シミュレーションと併用で、さらなる深い理解をサポートします。

Qi-Assessment

Qiアセスメントにご協力ください

現在、大阪公立大学アドミッションセンターでは以下のとおり、Qiアセスメント(全国のテストセンターで受験)への参加を募集しています。高校ごとに受験者をお取りまとめの上、お申し込みください。高校ごとに受験のためのバウチャーを発行します。
なお、オンラインテストを高校ごとに実施した場合には、以下のお問い合わせ先から、2025年5月上旬ごろまでにご連絡ください。

参加申込期間
2025年5月中旬から8月1日まで(高校ごとに案内しますが、一般受験希望の場合はお問い合わせください。)
受験申込期間
2025年5月中旬から8月初旬(受験者ごとのお申込となります。)
受験期間
2025年6月1日から8月31日(最寄りのテストセンターで好きな時に一度受験できます)
受験料
試行版につき無料です
試験データの取り扱い
本アセスメントテストにより得られたデータは、個人情報と解答とを切り離した上でネットワークから切り離されたスタンドアローンのパソコン上で管理・分析します。本テストの実証は、大阪公立大学アドミッションセンター倫理審査委員会の承認を得たものであり、個人情報の取り扱いについては十分留意いたします。

※高校単位でのお申込みにご協力くださいませ。

サンプル問題

実際の問題では選択肢の中にある正しい疑問の組み合わせを選ぶ回答です。

Question-insight
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